【送料無料】 アジア力 成長する国と発展の軸が変わる / 後藤康浩 【単行本】

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(2013/5/10 15:21時点)
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PM2.5は、ぜんそく・気管支炎・肺がんの原因にもなると言われています。
北京では、日本の空気清浄機に殺到しているとか???

中国のPM2.5の基準値は70以下ですが、日本は35以下・・・
だからこそ、日本の空気清浄機が流行っているのです。
日本の技術力に釘付けです。
北京の庶民も、高くても子供の為に買っていて・・・
シャープの中国工場では、生産ラッシュとなっています。
1~3月の売り上げは、去年の3倍です。
この大気汚染の元凶は何なのでしょうか???
そこには、真っ赤に燃える黒いダイヤがありました。

この日本への越境汚染はいつまで続くのでしょうか???
この黒い空気の元凶は・・・石炭です。

越境汚染のひとつと言われているのが、中国・遼寧省。
その中でも汚染がひどいのが、本渓市。
1930年代には、満鉄が開発し、重工業都市として発展してきました。
しかし、大気汚染が深刻化し、衛星から見えない都市として有名です。
人々は、外出する時にはマスクをしています。
そこには、満鉄時代を思わせるSL・・・蒸気機関車が走っていました。
50年以上前に造られた蒸気機関車が現役として39台も走っているのです。
運んでいるのは採掘された石炭・・・それは、満鉄時代と変わりません。
この石炭は火力発電所へ・・・中国では、発電の7割以上を石炭火力に依存しています。
しかし・・・石炭を燃やすと、有害な硫黄化物質や窒素酸化物を発生させます。。。
老朽化した工場には、この有害物質を取り除く環境対策が十分にとられていません。。。

ずさんな管理体制で、火力発電所での使用済みの石炭灰・・・
これは、硫黄酸化物を多く含み、PM2.5の原因となるのですが・・・
それを処理もせずに平地に捨てています。
石炭の消費量が増えて、処理施設が間に合わないというのが現状のようですが・・・
野ざらしになっています。
そして、一般家庭でも、広く石炭ストーブを使っています。
中国13億人は・・・石炭を使わないと、生活できないのが現状です。

では、世界中でどれだけ石炭を使っているのでしょうか???
中国・・・・・・49%
アメリカ・・・・14%
インド・・・・・8%
日本・・・・・・3%
ロシア・・・・・2%
ドイツ・・・・・2%
その他
と、中国が圧倒的で・・・まだまだ増えると思われます。

使う理由は・・・
①たくさんの石炭がとれるということ。
②コストが安い(石油の1/4)ということ。
ちなみに、日本の発電シェアは・・・
LNG 火力・・・・・48%
石炭火力・・・・・26%
石油火力・・・・・16%
原子力・・・・・・・3%
その他。
と、たくさんの石炭を使っています。
おまけに、東日本大震災以来、原子力を見直す方向に世界が向いているのも現実です。
そこで、”石炭のガス化”や”超臨界圧”など、高効率の発電技術を日本企業が開発し、世界をリードしています。

寧夏回族自治区にある賀蘭山は・・・石炭の採掘場があります。
そこには、クラレケミカルの社員が・・・
ここに、中国最大級の露天炭坑・・・石炭採掘場があります。
ここの石炭を使って造っているのが、環境をきれいにする製品だそうですが・・・
水処理用の活性炭・・・浄水用活性炭で、全国の浄水場で使用しています。
それ以外にも、揮発ガソリンを吸着する活性炭も開発、中国の自動車のPM2.5を吸着しようとしているのです。
中国も環境基準も厳しくなってきているようで、需要が増えることが予想されます。

福岡県・北九州市には・・・新日鉄住金・八幡製鉄所。
ここは、日本有数の工業地帯で、1960年代、深刻な大気汚染が公害問題となりました。
「七色の煙」が出るとまで言われたこの地が。。。今は綺麗となり、中国も見本にしたいと思っているとか・・・。
そして、この八幡製鉄所の技術が、中国で使われようとしています。
陝西省にある大手製鉄所では・・・工場からは、大量の有害煙が吐き出されていました。
ここも、PM2.5の発生する場所です。
ここにあるのが、環境施設CGQ。
鉄鉱石から鉄を抽出する際に必要な石炭燃料・コークス・・・
このコークスを造る時に、石炭の不純物除去のために1000℃で熱した後、200度まで冷却して使用する必要があるのですが。。。
この時に出る水蒸気に有害物質が含まれてしまうのです。
この有害物質を出さないようにするのがCGQ。煙を出さずに冷やすことが出来ます。
水を出さずに冷やし、その熱で発電するという一石二鳥のシステムです。
そして、中国も環境問題に興味が出てきたようです。
日本の企業がお手本とされ、技術も必要とされています。

そして、大気に続いての大きな問題は・・・”水質汚染”です。
これによる”がんの村”247か所、河川の汚染は40%と言われています。
遼寧省瀋陽市は・・・都市建設が真っ盛り!!
でも、そこには汚染され、悪臭を放つ川が・・・
そこで活躍するのが”帝人”です。
瀋陽に造った画期的な施設、それが下水処理場です。
汚染水を処理装置で1日ろ過すると・・・
真っ黒の水が透明となります。
そこには、特殊な繊維を使った最新技術が使われていました。
特殊な繊維にバクテリア・原生生物・後世生物・貝、ミミズを飼って、食物連鎖を利用して・・・食べさせてろ過しています。
これは、瀋陽市が世界初の導入となっています。
ろ過され綺麗になった水は、川へと帰っていくのです。
川の水は綺麗になり、魚やカエル…生き物が生息するようになりました。

この水質汚染も、東シナ海が汚染されることによって日本にも来るかもしれません・・・。
そして、この環境汚染は10年先も止まらない・・・
石炭の消費が増えて、環境汚染を深刻化させていく。。。
環境を犠牲にする・・・経済成長至上主義を段階的に見直すことが必要です。
だから・・・越境汚染は、10年ぐらいでは変わらないのでは???と思われます。
利益を減らしても環境を良くする・・・そんな意識改革が必要なのです。
習近平国家主席は、美麗中国のスローガンを掲げ、2030年までに環境関連市場は42兆円に達すると思われます。
これに向けて、増えていけば・・・日本にとっては、ビジネスチャンスであり、環境も良くなります。

私たちの子供たちの為に、頑張らなければいけませんね・・・。

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