明治思想史の一断面―新島襄・徳富蘆花そして蘇峰

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今回は、久栄と徳富蘆花のお話です。

明治20年1月。
みねは同志社の教師となった伊勢時雄と共に京都に戻り、長男・平馬を出産しました

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幸せそうな山本家ですが・・・
なんだか久栄は複雑な気持ち。。。
それは、厄介者の・・・不義の母を持つ娘だから。。。

そんな気持ちをわかってくれるのは、伊勢家に居候していた徳富猪一郎の弟・健次郎。

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健次郎も学力では兄・猪一郎の足元にも及ばない・・・
従兄・伊勢家の居候だから。。。

時代は小説が流行ってきていました。
近代文学の始まりです。
健次郎も同志社の学生でありながら、勉学よりも小説に・・・小説家を目指していました。
そして・・・久栄の慰みは、健次郎から小説を借りて読むこと。。。

猪一郎は、日本初の総合雑誌・国民の友を創刊。
明治のジャーナリズムを牽引する存在へとなっていきます。

世の学生たちは、小説に・・・低俗なものにうつつをぬかし・・・東京帝大の山川健次郎も御立腹!!

そんな頃・・・
みねは産後の肥立ちが悪く・・・24歳で亡くなりました。
みねの葬儀は同志社で行われ・・・八重からみねの形見分けをされる久栄・・・。
そう、自分を唯一理解してくれたみねは本当に死んでしまったのです。。。

って、みねが八重に頼むシーンですが、座って話せるってのが、何だか不自然に思ってしまった。。。

「私ができることは何でもするつもりだ!!」
「おば様の力を借りるつもりはありません。
 母を追い出した人に頼るわけにはいかへん!!」

母を山本家から追い出したのはおば様・・・
久栄の心の傷はまだ癒えてはいませんでした。。。

それを聞いた健次郎は・・・
「久栄さんの御母上は人間らしか人て思う。。。」
と、言ってくれました。

みねの葬儀の翌日から・・・襄の父・民治が寝込み・・・亡くなりました。

久栄のことを・・・八重のことを案じて。。。

「子を信じきるということは、親にとって一番難しい。。。
 七五三太、励めよ。。。」

そう言って、無くなったのでした。

校内では・・・久栄と健次郎が交際していると噂になっていました。
勉強に身が入らない小説家志望の青年と不義の母を持つ久栄。。。
新島先生の親戚であるのに、示しがつきません。。。

問い詰める八重。。。
久栄は結婚する気満々です。。。
同志社を辞めて東京に出る健次郎について行くという久栄。。。
でも健次郎は・・・???
未熟者の自分では・・・結婚はまだできない???

そして・・・おば様は母ではない・・・???

「健次郎さんは口では大きなことを言ってるけんじょ・・・まだ何もできない子供だ・・・」
「明治の生まれか・・・
 昔に比べっと身分も家柄も構いなしになった。。。
 己の才覚だけで生きていく自由もまた、恐ろしかろう」
「にしろ・・・あまりに軟弱だ・・・
 兄つぁまはあのぐらいの時は・・・江戸で藩の為に必死に学んでた・・・
 近頃の若いもんは・・・」
と、八重と覚馬がおしゃべりしてます。

いや~否定はしませんよ・・・。
武士の時代と小説家・・・小説家・・・なんて軟弱なイメージでしょう???
でも、覚馬の時代は徳川が250年、連綿と続いていつ時代の終わりの方でした。
もちろん、士農工商がはっきりとしているので、出世もできない代わりにあまりの大失態をしない限り、そのままの生活が保障されていて・・・その流れで、覚馬も藩の為に働いていたのです。
なんだか解らない時代のうねりが納まったばかり、明治となってまだ20年ほど・・・
どんな仕事があってどんな風に生きていたらいいかなんて、まったくわかってなかったんじゃないかと思います。
だから、八重のこの言葉は、本当にきつい一言だったんじゃないかしら???

ま、キツイ女子ですからね。。。八重さん。

そして・・・夏休みを利用して・・・静養の為に、北海道へと渡る八重と襄。
静養の為って・・・ホント、外人みたいな優雅な生活してますね。。。

今回は、ついでに会津戦争で別れてしまった”日向ユキ”に会うために。。。

ユキは、薩摩の人と15年前に結婚していました。。。

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う~ん、若すぎるよね。。。この二人。。。
出されているトウモロコシ、ジャガイモが、北海道らしいですね。

が・・・いつも思うんですが、八重、いい服着てますよね。。。
私がうがっているのかもしれないけれど、なんだかんだ偉そうなこと言っても、本当はこのユキの方が、貧乏・・・苦労もしているし、人間的にもできた人になったんじゃないかと思うのです。。。

母親となったユキに励まされて、久栄と向き合おうとする八重。。。
そして襄は・・・
「私たちにはもう、1000人を超す子供たちがいます。
 学生さんたちです。
 八重さんがともに歩んでくれたから、私は子沢山な父親になれました。」

なんて優しいの、襄。

夏休みいっぱいを北海道で過ごし、京都に戻った八重・・・
って、本当に母親代わりで心配しているなら、そんな長いこと静養する???

健次郎は、家財道具一式を処分して、東京に出ることに・・・
久栄もいません。。。
駆け落ち???

探し回った揚句・・・
2人は最後に、みねのお墓参りをしていました。

怒る八重に久栄は・・・ふたりで東京に行くという。。。

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健次郎に、小説で食べていく自信はあるのか??と問う八重。。。
しかし、そんな自信などあるはずもなく。。。
でも・・・
「食べるために小説ば書いとるんじゃなか!!
 小説ば書くために食べると!!」

八重はその言葉を聞いて・・・
駆け落ちは里帰りができなくなるから駄目・・・里帰りができなくなる・・・
東京に行ったら、きっと苦労する。
んだけんじょ、苦労と不幸は違う。
健次郎さん、久栄のこと、蚊張らず幸せにしてくなんしょ」

と、2人を許したのでした。

しかし・・・健次郎は・・・一人で東京に行ってしまいました。

「もはや・・・この思いを止めることは出来ないのです。
 このような策をとる己の身勝手を・・・はなはだ恥じ入るばかりです。。。
 お世話になりました。。。」

そんな予感をしていた久栄。。。

いや~今回も、佐久さんの「さすけねえ。。。」が出ました。。。
無口なのかもしれないけれど、それだけじゃ伝わらないよね。。。
いやいや、血のつながりがあるから、伝わるのか???

って感じの第46回でした。

このところずっと書いているのですが・・・今回も。。。
ま、”八重の桜”ですから!!
な回でした。

まずは・・・日向ユキ・・・。
会津城に入れなかったユキ・・・
会津藩降伏後の翌年、翌年ですよ!!
父親の遺体を探していた日向ユキは加須谷邸の竹藪でようやく、ボロボロになった日向左衛門の紋付きと頭蓋骨とを発見します。
そんな父を浄光寺に埋葬しました。

そして・・・兄・日向新太郎は自害し、その首は、部下によって稲田にあった稲束に隠されました。
その後、犬が日向新太郎の首を咥えて持ち出したので、処分に困った村人が日向新太郎の首を川に捨ててしまいました。
兄の消息も探していた日向ユキ。。。
その村人が捨てた日向新太郎の首を探し出し、浄光寺にある父・日向左衛門の墓の隣に埋葬したのです。

って、スゴイと思いませんか???
何処がすごいかっていうと、新政府は会津藩士の亡骸を、当時埋葬することを禁止していました。
でも・・・時が経つにつれて、その不衛生な匂いと病気が蔓延し・・・埋葬することになりました。
しかし、当時の日本は、埋葬するのは埋葬する身分の人たちでないと駄目だったので・・・
不憫に思った会津藩士たちは、自ら身分を貶めてまで亡骸を埋葬したと言われています。

ま、ユキが身分を貶めたということはなかったでしょうが・・・
あの時代、会津藩士を埋葬することは至難の業でした。

そして。。。苦難を乗り越えたあとの結婚も・・・
会津と薩摩の和平のためにも???
薩摩人と結婚したユキ、大山巌と山川捨松の結婚よりも、11年も早く結婚しています。
「萬年青(おもと)」も書き残していますし、ありきたりな子育て論より、そんなこんなを紹介してほしかったです。。。


で・・・徳富健次郎ですが・・・
ま、小説家志望なので、夢見る夢男君でいいんじゃないでしょうか???
ただ・・・あんな綺麗なわけではなく・・・。
健次郎と久栄に割り込んでくるのは竹崎土平。
三角関係なんかになったりして・・・
ま、久栄は結構奔放だったとか・・・
ただ、健次郎とは母・時枝が出て行ってすぐに会っているので、夢見る姿に惹かれたのかも。。。現実逃避したのかも知れませんね。

で・・・八重さん、いい感じに描かれていますが、本当は。。。
八重&佐久が久栄を寄宿舎に入れ監視、健次郎から来る手紙も勝手に全部読んで、やり過ぎ状態でした。
久栄が現実逃避したかったのも解らないではないですね。。。

そんなこんなをすっとばし、綺麗な第46回でした。

でも・・・最近思うんです。
もちろん”八重の桜”ですから、八重さんが輝くように書いてありますが、あれだけ気が強かった人です。
そんなに慮れる人だったのかしら???
なんて、疑問に思っちゃう・・・人の悪い私でした。

ただ・・・徳富蘆花の小説に対する思いは心に響いたからね。


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