知らないと恥をかく世界の大問題5どうする世界のリーダー?~新たな東西冷戦~ (角川SSC新書)

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スターリンも社会主義の理想を目指しました。
当時のロシアは、遅れた農業国で、大地主がいたのですが。。。
大農場の大地主たちは皆殺しにして、土地を国有化し、平等に働きましょう!!
としました。

資本家はみんな殺してしまう・・・
「労働者と農民だけの国にしよう」と、考えたのです。
集団農場、国営農場を作り、みんな一緒に平等に働きだした(農業集団化)のです。

土地は”皆のもの”ということは、”自分のもの”という意識がありません。
みんなサラリーマン化して、嵐が吹こうが、霜が下りようが・・・9時から5時までしか働かなくなってしまったのです。
農業が壊滅状態となり、ソ連各地で餓死者が続出しました。
その中でも深刻だったのがウクライナ。
ウクライナは肥沃な大地で、その昔、ソ連の”パンかご”といわれるぐらいでした。
ウクライナによってソ連の食料は賄われていたと言われるぐらいだったのです。

ウクライナの国旗は・・・

ukuraina












黄色は小麦・青は青空を意味しています。

それぐらい豊かな土地だったのに・・・
スターリンによる農業集団化によって食糧不足に陥ったのです。
大勢の餓死者が、ウクライナでも出ます。
つまり、ウクライナの人たちは、ソ連時代に酷い目にあったという思いを持っています。
だからソ連が崩壊した時に・・・ヨーロッパの側につきたいと思っている人が多いのですが・・・
東側はロシア系の人々が多いので。。。
今に至る対立構造は、このソ連時代からあるのです。

ソ連は計画経済をとっていました。
社会主義で、エリートが経済計画をきっちり立てれば無駄がなくなる。
となると・・・
商品の数だけが目標となり、ダサい商品ばかりになり=売れ残りが増えていくのです。

社会主義は、資本主義のような資源の無駄遣いはない!!ということで始めたはずでした。
資源を効率的に使おうと考えたはずなのに、結果的に無駄が出てくるのです。
おまけに、海外からのファッション性の高い商品に長蛇の行列ができていきます。

資本主義ではマーケットの需要と供給でモノの値段が決まりますが・・・
社会主義は政治家・役人がモノの値段を決めます。
価格設定のミスによって、経済が大混乱し、不振な状態となっていったのです。

おまけに理想は”労働者は平等”。。。職業によって給料が決められていました。
しかし現実は”働いても働かなくても給料は同じ”なので、働かなくなっていきます。

おまけに、労働者と農民の国なので、肉体労働をする人の給料が高く、頭脳労働の人々は額に汗して働いている訳ではないので・・・大学の先生・医者などは、給料がものすごく安かったのです。
そんな人たちは亡命していきます。
理想と現実の違いで、ゆがんだ経済となっていったのでした。

資本主義は、それぞれが競争することによって経済が発展していきますが、あまりにも弱肉強食だと・・・不満が溜まっていって社会が不安定になります。
ある程度の競争は必要ですが、競争だけでは無理なのです。
が・・・社会主義では労働意欲がそがれてしまいます。
競争主義と平等主義の両極端となるのは駄目で、その中間が相応しいのです。

資本主義では、新発明で新製品を作ると企業が全て独占します。
他の企業がそれを作ることは出来ません。
しかし、社会主義の国有企業では新発明をしたら、みんながその恩恵を受けることが出来るはず・・・そうなれば、技術が発展してみんなが豊かになるだろうと理想を持っていましたが、現実は???

仕事をしなくても許されて・・・東ドイツで有名な自動車”トラバント”は、猛烈な排気ガスを吐き・・・一部が段ボールで出来ているような・・・そんな車が作られたのでした。
ちなみに、西ドイツでは、フォルクスワーゲン・ベンツ・BMWなど・・・大手が激しく技術を争い、向上させていっていたのです。
つまり・・・民族の問題ではなく・・・経済体制が違うと、同じ民族でもここまで差が出るのです。

資本主義では新しい技術が出来て、商品が売れれば会社の利益も給料も上がります。
しかし、社会主義ではみんな同じ給料なので、一生懸命努力しても変わらない・・・=苦労する必要がない!!と、なってしまったのです。
しかし、よその国の失敗ではなく・・・日本でもそんな経営をしてつぶれていった会社がたくさんあります。

社会主義の失敗ではなく、人間とはどんなものなのか??ということを知るうえで、大事なことなのです。
共産党という上の言いなりで働いていた人々・・・現場で創意工夫をしようという考えが無くなって、結局指示待ちになってしまう。。。
日本でもそうやってつぶれていった大企業がたくさんあります。
代表的な企業は”ダイエー”。
みんな社長の”指示待ち”の姿勢だったのです。
”自分で考えてやること”の意識改革をするのが大変だったのです。


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