暗号機エニグマへの挑戦 (新潮文庫)
暗号機エニグマへの挑戦 (新潮文庫) [文庫]
1939年イギリスのMI6、本部はブレッチリー・パーク。
どの地図にも所在はなく、チャーチル首相の秘密の場所でした。
ここで、ドイツ軍の”エニグマ”という暗号文の体系を解読します。
ステーションXと呼ばれたもの邸宅で、諜報活動が行われていました。
暗号解読の歴史は1939年、傍受基地ステーションXが作られたことに始まります。

戦争が経過し・・・建物は増築・・・
最大の挑戦は・・・”タニー”の解読。

アイゼンハワーは、このタニーの解読によって戦争が2年早くに終わったと言っています。
最盛期には何千人もこの場所で働いていました。
第2次世界大戦は・・・機密をどう伝達し活用するかが重要でした。
無線通信が主流になっていたのです。
敵の暗号体系を掴む!!!
その戦いが始まったのです。

ドイツの”エニグマ暗号機”。これを傍受します。
・・・1941年には印刷電信機・・・ドイツ軍はエニグマではない・・・モールスではない新しい暗号機を使い始めまたのです。
ブレッチリー・パークには数学者が集められました。
第1次世界大戦では言語学者でしたが・・・第2次世界大戦では数学者が最前線へとたったのです。
エニグマはもはや時代遅れ・・・
ヒトラーの支配体制を盤石なものにするために発明されたのがローレンツSZ40、連合軍がタニーと呼んだ暗号機です。
ローレンツを用いたドイツのテレプリンターは30に満たなく、これが第3帝国の生命線でした。
作戦、戦局まで把握していました。

この暗号を解き明かすために・・・若き数学者が挑みます。
ビル・タット。
その突破口は・・・ドイツ軍下級兵士のずさんな暗号管理。
殆どやけくその中・・・解読が始まります。
歯の数は41だということを突き止めます。
可能な組み合わせをすべて合わせていきます。
そこにはカイテル元帥・・・ヨードル・・・ヒトラーの名前まで出てくるようにまります。

東部戦線で・・・この暗号解読の情報使うことが出来ます。
ドイツ軍はソビエトを狙っており、それが挟み撃ちだということも掴んでいました。
このクルスクの戦いで・・・ドイツ軍の東部戦線は崩壊します。
暗号解読の重要性が証明された瞬間でした。

数学と統計学に基づいたタットの理論を・・・機械化の研究を実用化させたのは、トミー・フラワーズ。
機械による暗号解読を目指しました。
プログラム制御が可能な電子計算機・・・世界初のコンピューター”コロッサス”の誕生でした。

タニーの解読は、ノルマンディ上陸作戦の成功にも貢献します。
ローレンツは軍の上層部のみで使われていたため、軍の編成や戦車・戦闘機の臨時編成なども知ることが出来たのです。
ローレンツに過度の自信が・・・ヒトラーが連合軍に操られるという皮肉な結果になります。

戦争は終わり・・・しかし、タットやフラワーズにはある指令は???
暗号解読に対する沈黙でした。
コロッサスも・・・2台を除いて壊されました。
その2台は60年代まで使われていたようです。
というのも、米ソ冷戦当時、ソ連はローレンツ方式の暗号を使っていました。
その解読のためだったようです。
1946年2月、アメリカで・・・世界初のコンピューター”エニアック”の完成が発表されました。
高い評価を得ることもなく・・・
フラワーズは表舞台に出ることはなかったのです。。。

その後・・・タットやフラワーズの事も知られるようになり・・・
しかし、時すでに遅しでした。


第2次世界大戦時、人間の頭脳が機械を越えた偉大な勝利がありました。
タットとフラワーズの任務の一部は、現在も機密扱いです。
2人の功績の全貌は、未だに明らかになっていません。

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