速水堅曹資料集―富岡製糸所長とその前後記

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「花燃ゆ」を見ていて思うこと・・・。
とりあえず・・・人物を愛情をもって丁寧に書いてくれていないんじゃないかな??と思います。
今の朝ドラ「あさが来た」では、伏線も上手に張っていますし、そこにキャラクターへの愛情を感じられます。
今のところ、根っからの悪人も出てきていませんしね。
それって、愛情たっぷりに描いているからだと思うんです。

で・・・それが「花燃ゆ」にはないかなあ・・・と思えるのです。
伏線がきっちりできていないとぽっと出てきたようでそのキャラに愛情を感じられませんし、書きっぱなしだとかわいそう・・・そんな感じがします。

そして・・・昔の女性が悪いかのように、今風に仕上がっていると思います。

例えば・・・朝ドラの「あさが来た」では、男勝りに飛び回っているあさに対して舅・姑は子作りは諦めたようですが、新次郎に妾を囲おうとしましたよね。
それって、当時としては当たり前だと思うのです。

でも「花燃ゆ」では、玄瑞が京に女を作った!!あり得ない~~!!みたいな展開でした。
まあ、とりあえず、命を懸けて戦っている男たちは、宵越しの銭は持たなかったのかもしれませんしね・・・
それは、新選組でも放蕩してますから、まったく当たり前だったんじゃないかとおもいます。
久坂玄瑞のような男前ならなおさらです。

そこで思い出したいくつかのドラマや映画をご紹介。

まずは「一枚のハガキ」
新藤兼人監督の遺作です。

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戦争映画というよりは反戦映画です。

時代は戦争末期・・・100名の中年兵士が召集されました。
松山啓太ら兵士100名たちは上官のくじ引きで赴任先が決まります。
くじ引きが行われた夜、フィリピンに赴任が決まり、生きて帰って来れないと悟った森川定造はハガキを読んだことを妻に伝えて欲しいと、妻・友子から送られた1枚のハガキを啓太に託すのでした。

終戦後100人中6人の兵士が生き残り、その一人の啓太は1枚のハガキを元に友子の家を尋ねます。。。

というお話です。

ここで私が紹介したのには・・・
妻の友子・・・定造を愛していますが
①戦死したこと
②義理の両親が歳いっているということ
③本人も行く先がないこと
から、次男の嫁となるのです。

年下の義理の弟・・・「姉さん・・・すみません。」と、出征する前の晩(だと思う)に抱かれるわけですが・・・
とにかく、友子は定造を愛していますし、親のことも気がかりです。
おまけに、当時は同じ村同士で結婚するとか、いとこ同士で結婚するとか・・・世間も狭かったんですよね。
もちろん、兄が死んだら弟の嫁となることもままありました。
昭和でもそんな時代です。


次に・・・「わが家の歴史」

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三谷幸喜脚本のドラマでした。

時代は・・・昭和20年、日本は終戦を迎えました。
博多で暮らす7人家族の八女(やめ)家。
長女・政子17才が、甲斐性なしの父・時次郎に代わって働き、弟・・・妹・・・一家の生活を支えていたのです。
父・時次郎と戦友・古賀巳代治との一攫千金をねらった事業が大失敗。
家はなくなり六畳一間に居候することに。。。

中洲のクラブ「長い夜」で働き始めた政子は、店の経営者である、新進実業家・鬼塚大造と知り合います。大造は、家族を思い前向きに生きる政子に惹かれ・・・政子も、大造への尊敬の念がいつしか愛に変わっていのでした。

ということで、主人公は柴咲コウ、その家族を見てくれる大造には佐藤浩市、その妻・千晶には天海祐希さんです。
何を言いたいのか・・・??
できる妻・千晶は、夫に愛人がいることも了承ずみ・・・
おまけに面倒を見る大造は、妾の面倒を見る=その家族・・・一族郎党の面倒を見る甲斐性がある!!のです。
それでOKというか、大造は大した男なのです。
これも終戦時のお話です。


そしてこちら・・・「柘榴坂の仇討」

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こちらは、桜田門外の変で、殿を守れなかった彦根藩士が明治となっても仇討のために尽力し、それを支える妻の話です。
そこには、討つ者も、討たれる者も・・・時代に取り残されたまま明治を生きていた・・・彼らの未来は・・・??

と、志村金吾を支える妻・セツは、旦那様に従って・・・でも、芯の強い女性を演じていました。

どの作品も、生き生きとその時代の中で一生懸命生きている人々を書いています。
私は何を言いたかったのか・・・??
いろいろな夫婦の形があると思います。
それこそ、「あさが来た」のあさ&新次郎なんかは、バリバリ働くあさなので、当時は世間の風がきつかったでしょう。でも、そんな世間の噂もちゃんと書いてくれています。

昭和20年になっても、兄が死んだら弟の嫁になったり、すごい男のお妾さんでいる女性もいたのです。
そして・・・「柘榴坂の仇討」のセツなんかは・・・奇をてらうようなことは何にもしていません。
仇討をすると決まった時に、金吾に離縁されそうになって・・・「嫌です」と断ってからは、仇討のために働かない夫を支えて飲み屋で働きます。
何も言わないけれど・・・もしや・・・今日は仇討する??となった日に、本懐を遂げさせるために夫を見送ります。
そう・・・仇討が遂げられても遂げられなくても夫に待っているのは、本懐を遂げた後の死だけだったのに・・・。
画面にはあまり出てこないのに、口出しせずに夫を陰で支えているなあ・・・っていうのがわかるんですよね。

「花燃ゆ」には、そういう明治女の芯の強さみたいなものをあんまり感じないんです。
美和は玄瑞が死んでから、粂次郎を息子にしては返し、奥に入ってはやめ、隠し子も返し、寿の世話をすると言って群馬についていったのに看病せず・・・
志という大層な事でもないのに、何一つことを成していないのです。

本当の美和は、久坂の妻として生きて・・・久坂の妻として死にたかった・・・。
母・滝に、乞われて・・・孫たちの面倒を見るために素彦と結婚したといいます。
ま、もう、あんなに大きくなってますけど・・・と、思わなくもないですが。。。
本当は、素彦とは一緒に暮らしておらず、姉の看病も献身的にしたようです。
素彦に嫁ぐ時も・・・久坂の手紙をもって嫁に行くことを許可してほしいと、素彦に願っています。

はじめ美和が主役となるとわかった時・・・もちろん「誰・・・??」レベルでした。
幕末維新に詳しい私が知らないのに、みんな知らないだろう・・・どうするの・・・??
と、思っていました。
いろいろ調べて、松陰の妹→久坂玄瑞の妻→楫取素彦の妻と、なる中で、一番難しいのは、玄瑞の妻→素彦の妻だろうなあ・・・これを今の人々に・・・どう、みんなに納得させるんだろう・・・??
と思っていましたが、まさに撃沈だったようです。

本当の美和がかわいそうでなりません。

zeroそういえば・・・永遠の0のときの井上真央ちゃん、岡田准一く演じる主人公・久蔵の奥さん・松乃でした。

久蔵が特攻で戦死した後は・・・
乳飲み子を抱えて苦労する中、その最期を報告に来た部下・大石がいろいろ世話を焼いてくれて・・・
その大石と再婚します。
大石としては、久蔵の代わりに守ってあげようと思ったのですが・・・
命を懸けて戦った戦友にはいろいろと想うことがるのでしょう。

現在は理解できないかもしれないけれど、当時としては、ありがちなことだと思うのです。


どうしてこんなにきれいに再婚できないんだろう・・・花燃ゆ。。。

「一枚のハガキ」観ました。はこちら
「柘榴坂の仇討」観ました。はこちら


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