わかりやすく〈伝える〉技術 [ 池上彰 ]

価格:799円
(2014/4/14 15:09時点)
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今回は池上彰さんです。

知られざる”激動”の国・パキスタンは、人口1億9000万人・・・世界6位の人口大国です。
人口の7割が35歳以下と可能性をたくさん秘めた国です。
東にインド、北にアフガニスタン・・・もともとはイギリス領インドでした。
インドが独立する際に、イスラム教の国として分離独立したのです。
消費活動もじわじわと活発になってきています。
5人にひとりが貧困層ですが・・・富裕層はけた違いで、結婚式では招待客1000人・総費用1億円という人もいます。
パキスタンは知られざる親日国です。
1950年代のこと・・・パキスタンはかつて、日本に大量の綿花を輸出していました。
パキスタンの綿花は、戦後の復興期の日本の紡績産業を支えていたのです。
そして、多くの日本人がパキスタンにやってきて仕事をしていました。
パキスタンに多くの投資をし、日本人から品質へのこだわりなどを学んだといいます。
だからこその親日なのです。

首都イスラマバードの北・70㎞に・・・アボタバードがあります。
そこは、オサマ・ビンラディンが殺害された場所です。
この地で潜伏していたところを、アメリカ軍の電撃作戦で殺害されました。
2011年5月のことです。
そのわずか1年後・・・女子教育の重要性を訴えていた15歳のマララ・ユスフザイさんが、襲われたのです。
そんな”パキスタン・タリバン”の暴力の実態は???

パキスタンでは乗り合いタクシーのことを”スズキ”といいます。
これは、タクシーの多くが日本のスズキ自動車だったからです。
自家用車にもスズキが目立ちます。
左側通行右ハンドルの国なので、新車販売台数の95%は日本車になっていて。。。
が、そのうちの5割をスズキが占めています。
一番人気はアルト。メヘランと名を変えて・・・62万5000円です。
このスズキ・・・従業員は2400人、駐在員は11人です。

1968年、”最後発メーカーでもトップに”とパキスタンに進出。
外国企業の進出は、パキスタンにとっても初めてのことでした。
1975年には現地生産を開始、現在8万6000台を生産し・・・
シェアNo,1の座を守り続けています。

パキスタンにはテロが・・・それに関わっているのはタリバンです。
アフガニスタンのタリバンの影響をうけた人たちが”パキスタン・タリバン”を形成し、不気味に勢力を拡大し・・・
その脅威は、首都・イスラマバードにまで及んでいます。

テロの脅威の中、驚きのビジネスが出て来ました。
それは”内装を防弾車にする”です。
売り上げは2年前の7倍です。
10日間の日数と、費用400万の車です。

タリバンは、極端なイスラム原理主義の考え方に基づいて、国を統治しようという考え方を持っています。
もともとパキスタンからアフガニスタンへ・・・
またパキスタンに戻ってきたのです。
生まれたきっかけが、1979年ソビエトのアフガニスタン侵攻にあたりアフガニスタンではムジャヒディン(イスラム聖戦士)がイスラムの国を守るために応戦します。
ビンラディンもサウジから駆けつけます。
その抵抗で、1989年ソ連軍が撤退するのですが、その後も・・・アフガニスタンで内戦が起こるのです。
パキスタンの有利な国にする為に・・・。
パキスタンに逃げて来ていた難民たちを・・・
イスラム教の極端な原理主義を教える神学校の生徒たちに武器を持たせてアフガニスタンへと帰すのです。

マララ・ユスフザイさんが撃たれた現実。。。
農村部の家庭には、カレンダーや時計など・・・文字がありません。
それは、読めないからです。
理由は二つ・・・
①貧しさ
②女性に必要ないという考え
です。
こうした現状に立ちあがったのが、マララでした。

marara

1997年スワート生まれたマララさんは、学校を経営する父のもと、学校に通い・・・
そんな少女の夢はお医者さんでした。
マララさんの町にパキスタン・タリバンがやってきて・・・
女性が塩酸をかけられたり、女性の人権を訴えるNGOの女性職員が殺されたり・・・切り刻まれて川へ流されたり・・・
女子学校を次々に・・・700も爆破し・・・学校に通えないようにしました。
住民は恐怖のあまり、女の子を学校に通わせなくなりました。
2009年・・・イギリスのBBCなどで女性の現状を訴えるマララさん・・・
しかし、2012年10月9日、スクールバスで下校中にパキスタン・タリバンの標的となり瀕死の重傷を負い、治療のためにイギリスに緊急搬送されたのでした。
奇跡的に一命をとりとめて・・・
今は、イギリスで女子教育の重要性を訴え続けています。
そこで日本も貢献。
教育プロジェクトとして5万人の女性たちに学ぶ場を・・・勉強の機会を提供し、今後3年間でその数は150万人になるといわれています。

パキスタンの小学校の中退率は世界ワースト2位。
小学校卒業前に辞めてしまいますが・・・その多くは貧しく、働くためです。
その子供たちを再び学校へ通えるようにしたり、
日本の援助で、職業訓練学校も作られています。
ここでは即戦力で働けます。
技術を学ぶことで仕事ができる=タリバンなどにならずに良い道を進むことが出来るのです。
知識を身に付け、手に職をつけさせることがテロ対策となるのです。

パキスタンは、16年後・・・人口が3億人を突破し、世界5位の人口大国になると予測されます。
タリバンのような極端な教えをしていないイスラム神学校もたくさんあります。
この学生たちが、タリバンが間違っているということを教えたいと思っています。
16年後には、しっかりとした教育で識字率がアップして、経済大国になっていく可能性があるのです。

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