ハーストがメディア界を支配していた1930年代、国民の娯楽となっていたニュース映画からヒーローが誕生しました。
犯罪と戦う正義の味方・・・FBIです。
ガバメントメン・・通称Gメンを率い、半世紀にわたってFBI長官に君臨したのが、ジョン・エドガー・フーバーです。
フーバーは、FBIの職員に絶対的な忠誠を求めました。
FBIの支局に掲げられた言葉・・・
「誰かの下で働くのなら ぜひ彼の下で働け
彼が日々の糧をあがなえる給料を払ってくれるのなら、彼のために働け
彼を讃え、彼を敬い、彼と彼が代表している組織に忠誠を尽くせ」
FBIは広報活動に力を入れ、フーバーは多くのニュース映画に登場しました。
「F(忠誠)B(勇気)I(誠実)・・・FBIの素晴らしい仕事の裏には、何か謎があるのでしょうか?
1924年にGメンのTOPとなったフーバー氏に聞いてみましょう」
「FBIの仕事に謎などありません
とても単純です
過酷なトレーニング、緻密な捜査、優秀な人員、厳格な行動、知性、誠実さです
FBIは、犯人が有罪となるまで捜査を止めることはありません」byフーバー
フーバーは、29歳の時に地方省捜査局の長官に就任・・・その組織は、州警察の垣根を越えた全国的な犯罪に対処するFBIへと成長させました。
当初、弱小組織だったFBIは、その存在感を国民に示すことに力を注ぎました。
フーバーは、全国の犯罪者の指紋をファイル化して管理、指紋鑑定による犯罪捜査を確立しました。
今日の科学捜査の基礎を築いたと言われています。
フーバーは、人材登用に力を入れ、職員の採用に厳しい基準を設けました。
条件は、法律や会計の専門知識、さらに知性的で身だしなみがきっちりしている人物を好んで採用しました。
「クラスメートをよく見ているうちに、私は全員の感じがなんとなく同じであることに気付いた
出身地こそばらばらだし、育ってきた環境も違う
だが、我々の中にはなぜ一人のユダヤ人も黒人もスペイン系アメリカ人もいないのだろうか
後になって、それがフーバーの方針であることを知った」byFBI捜査官の回想
1932年3月・・・FBIが躍進します。
空の英雄リンドバーグの子供の誘拐事件です。
捜査を担った州警察は、身代金を犯人に奪われた挙句、子供は遺体で発見されました。
この州警察の失態が、絶好の機会となります。
通称リンドバーグ法が作られ、それまで州警察以下だったFBIの権限が、大幅に強化されることとなったのです。
誘拐事件の捜査にFBIが加わります。
徹底した科学捜査の結果、事件発生から2年後、犯人が逮捕されました。
Gメンは国民の英雄となり、フーバーは小学性の人気アンケートで全米2位を獲得します。
フーバーは、ギャンブルを非難していたにもかかわらず、競馬が趣味でした。
2ドルの馬券売り場に並んだ写真を撮らせ、部下の高額の馬券売り場に並ばせました。
「フーバーは、自分自身やFBIに対する批判に対し、想像を絶するほど敏感だ
どんなに何気ない発言でも、あるいは極度のこじつけや当てこすりでも、いったん彼の耳にはいったら、司法長官あてに抗議文が書かれ、発言者の人間性に嫌疑が呈された」
第2次世界大戦が近づいた1939年・・・ルーズベルト大統領は、危険分子を取り締まるための諜報活動をフーバーに認めました。
「星条旗は自由と正義の象徴です
アメリカ国民は、この国を誇りとし、危険分子を支持する裏切り者から国を守るために、戦わなくてはなりません」byフーバー
FBIは、盗聴、郵便開封、家宅侵入、脅迫など、捜査において違法行為を厭わなかったのです。
フーバーは、集めた情報の公開を拒否、何をどうやって調べているのかさえ秘密にしました。
「FBIファイルの内容を公開すれば、部外秘の操作手順やテクニックがさらされることになる
もしそれが広まれば、犯罪者や国外諜報員などに捜査逃れに利用されてしまう
そうなると、FBIが設立された根本的な意義が失われてしまう」byフーバー
フーバーは、諜報活動の特権を利用して、政治家たちの秘密までも握り始めました。
ルーズベルト大統領は、妻と若い男との不倫関係が捜査されていました。
ファーストレディの捜査ファイルは450ページにも及びました。
その後もフーバーは、歴代大統領の秘密を集め続けました。
アイゼンハワーは、運転手を務めていた女性との不適切な関係を疑われ、ホテルの滞在記録などを事細かに調べられています。
ケネディは、若い頃の弱みをフーバーに握られていました。
海軍時代、ヒトラーと関係のあった女性とホテルで過ごす様子が頻繁に盗聴されていたと記録されています。
フーバーは、大統領が変わるたびに、前の大統領のゴシップを新しい大統領に耳打ちしました。
「フーバーは、歴代の大統領の耳にゴシップを入れていたが、このことが大統領たちを怯えさせていた可能性がある
自分についてはフーバーは、どんなことを知っているのだろう・・・という恐怖だ
フーバーは言うならば、”ベールをかぶった脅迫者”という存在だった」by元国務長官
フーバーは、8人の大統領に仕え、亡くなるまで半世紀にわたってFBI長官の座に君臨にし続けました。
フーバーの死後、FBIの秘密ファイルが公開されました。
フーバーは、危険分子だけでなく、キング牧師、フランク・シナトラ、マリリン・モンローなど、著名人に対しても違法捜査を行っていたことが明らかになり・・・ファイルは1万7000ページにまで及んでいました。
「犯罪者でなくても、フーバーが市民として容認できないとしたアメリカ人に対してFBIが行ったことは、自由の国アメリカの汚点である」by元FBI捜査官
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犯罪と戦う正義の味方・・・FBIです。
ガバメントメン・・通称Gメンを率い、半世紀にわたってFBI長官に君臨したのが、ジョン・エドガー・フーバーです。
フーバーは、FBIの職員に絶対的な忠誠を求めました。
FBIの支局に掲げられた言葉・・・
「誰かの下で働くのなら ぜひ彼の下で働け
彼が日々の糧をあがなえる給料を払ってくれるのなら、彼のために働け
彼を讃え、彼を敬い、彼と彼が代表している組織に忠誠を尽くせ」
FBIは広報活動に力を入れ、フーバーは多くのニュース映画に登場しました。
「F(忠誠)B(勇気)I(誠実)・・・FBIの素晴らしい仕事の裏には、何か謎があるのでしょうか?
1924年にGメンのTOPとなったフーバー氏に聞いてみましょう」
「FBIの仕事に謎などありません
とても単純です
過酷なトレーニング、緻密な捜査、優秀な人員、厳格な行動、知性、誠実さです
FBIは、犯人が有罪となるまで捜査を止めることはありません」byフーバー
フーバーは、29歳の時に地方省捜査局の長官に就任・・・その組織は、州警察の垣根を越えた全国的な犯罪に対処するFBIへと成長させました。
当初、弱小組織だったFBIは、その存在感を国民に示すことに力を注ぎました。
フーバーは、全国の犯罪者の指紋をファイル化して管理、指紋鑑定による犯罪捜査を確立しました。
今日の科学捜査の基礎を築いたと言われています。
フーバーは、人材登用に力を入れ、職員の採用に厳しい基準を設けました。
条件は、法律や会計の専門知識、さらに知性的で身だしなみがきっちりしている人物を好んで採用しました。
「クラスメートをよく見ているうちに、私は全員の感じがなんとなく同じであることに気付いた
出身地こそばらばらだし、育ってきた環境も違う
だが、我々の中にはなぜ一人のユダヤ人も黒人もスペイン系アメリカ人もいないのだろうか
後になって、それがフーバーの方針であることを知った」byFBI捜査官の回想
1932年3月・・・FBIが躍進します。
空の英雄リンドバーグの子供の誘拐事件です。
捜査を担った州警察は、身代金を犯人に奪われた挙句、子供は遺体で発見されました。
この州警察の失態が、絶好の機会となります。
通称リンドバーグ法が作られ、それまで州警察以下だったFBIの権限が、大幅に強化されることとなったのです。
誘拐事件の捜査にFBIが加わります。
徹底した科学捜査の結果、事件発生から2年後、犯人が逮捕されました。
Gメンは国民の英雄となり、フーバーは小学性の人気アンケートで全米2位を獲得します。
フーバーは、ギャンブルを非難していたにもかかわらず、競馬が趣味でした。
2ドルの馬券売り場に並んだ写真を撮らせ、部下の高額の馬券売り場に並ばせました。
「フーバーは、自分自身やFBIに対する批判に対し、想像を絶するほど敏感だ
どんなに何気ない発言でも、あるいは極度のこじつけや当てこすりでも、いったん彼の耳にはいったら、司法長官あてに抗議文が書かれ、発言者の人間性に嫌疑が呈された」
第2次世界大戦が近づいた1939年・・・ルーズベルト大統領は、危険分子を取り締まるための諜報活動をフーバーに認めました。
「星条旗は自由と正義の象徴です
アメリカ国民は、この国を誇りとし、危険分子を支持する裏切り者から国を守るために、戦わなくてはなりません」byフーバー
FBIは、盗聴、郵便開封、家宅侵入、脅迫など、捜査において違法行為を厭わなかったのです。
フーバーは、集めた情報の公開を拒否、何をどうやって調べているのかさえ秘密にしました。
「FBIファイルの内容を公開すれば、部外秘の操作手順やテクニックがさらされることになる
もしそれが広まれば、犯罪者や国外諜報員などに捜査逃れに利用されてしまう
そうなると、FBIが設立された根本的な意義が失われてしまう」byフーバー
フーバーは、諜報活動の特権を利用して、政治家たちの秘密までも握り始めました。
ルーズベルト大統領は、妻と若い男との不倫関係が捜査されていました。
ファーストレディの捜査ファイルは450ページにも及びました。
その後もフーバーは、歴代大統領の秘密を集め続けました。
アイゼンハワーは、運転手を務めていた女性との不適切な関係を疑われ、ホテルの滞在記録などを事細かに調べられています。
ケネディは、若い頃の弱みをフーバーに握られていました。
海軍時代、ヒトラーと関係のあった女性とホテルで過ごす様子が頻繁に盗聴されていたと記録されています。
フーバーは、大統領が変わるたびに、前の大統領のゴシップを新しい大統領に耳打ちしました。
「フーバーは、歴代の大統領の耳にゴシップを入れていたが、このことが大統領たちを怯えさせていた可能性がある
自分についてはフーバーは、どんなことを知っているのだろう・・・という恐怖だ
フーバーは言うならば、”ベールをかぶった脅迫者”という存在だった」by元国務長官
フーバーは、8人の大統領に仕え、亡くなるまで半世紀にわたってFBI長官の座に君臨にし続けました。
フーバーの死後、FBIの秘密ファイルが公開されました。
フーバーは、危険分子だけでなく、キング牧師、フランク・シナトラ、マリリン・モンローなど、著名人に対しても違法捜査を行っていたことが明らかになり・・・ファイルは1万7000ページにまで及んでいました。
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