池上彰の宗教がわかれば世界が見える [ 池上彰 ]

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そうだったのかトルコ!!

トルコのイスタンブールで反政府デモが起こりました。
警官隊による催涙ガスで強制退去などが行われ・・・
これまでに死者4人、負傷者約8000人が出て・・・世界的なニュースとなりました。
2020年のオリンピックの最終候補地で・・・新興発展国として注目されているのですが。。。

トルコ共和国・・・面積は78万㎢、人口は約7500万人、首都はアンカラです。
イスタンブールは・・・ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアに分かれていて・・・ヨーロッパとアジアの架け橋で、過去1600年間で・・・ローマ帝国・ビザンチン帝国・オスマン帝国の首都となっています。


最近10年間で急速に経済発展した4か国・・・新興発展国”BRICs”。
”ブラジル・ロシア・インド・中国”
の次は・・・”MINTs”=”メキシコ・インドネシア・ナイジェリア・トルコ”です。
これからどんどん発展していくと注目されています。

どうして今、経済が好調なのでしょうか???
①若い人口構成
 29歳未満が人口の半数を占めています。
 平均年齢が28.3歳・・・ちなみに日本の平均は44.7歳。
 労働者人口が多く、消費も活発であると言えます。
 教育水準も高く、賃金もそれないなので、海外の企業の進出が増加しています。

②恵まれた地理的環境
 ヨーロッパ圏・ロシア圏・イスラム圏・アフリカ圏・・・その真ん中にあります。
 周辺国だけで15億人が住んでいるので、そのマーケットの中心であると言えます。
 ヨーロッパの家電の製造拠点となっています。
 そして、政府は・・・巨大事業・・・ボスポラス海峡は、年間5万隻が通る経済の大動脈なのですが・・・
 安全面から2002年から通行規制が行われています。
 なので、第2のボスポラス海峡をつくる計画・総事業費1兆円・・・をしています。

③政教分離の徹底!!これが、大きな要因です。
 国民の9割がイスラム教徒のトルコ。
 しかし。。。所謂イスラム国家ではありません。
 イスラム国家とは、イスラム法に基づいて政治を行うのですが・・・。
 政治にイスラム教は持ち込まない!!というのが、トルコのスタンスです。

 1924年に憲法を改正。政教分離を徹底しています。

 これをトルコに取り入れたのは・・・
 建国の父でありトルコ共和国初代大統領”ケマル・アタテュルク”。
 政界からイスラム色の強い人を排除、その上・・・
 ・女性参政権
 ・名字の創設
 ・一夫多妻制の廃止
 ・アルファベットの導入
 などを行いました。

 トルコを西洋文化と融合させて、近代国家の基礎を築いた、まさにトルコの英雄です。

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その象徴といわれているのが”アヤソフィア”。
世界遺産にも登録されています。
東ローマ帝国時代はキリスト教の大聖堂として、オスマン帝国時代にはイスラム教のモスクとして、1600年以上の歴史を持ち、現在では博物館となっています。

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キリスト教徒イスラム教が存在するとても変わった空間となっています。

イスラム圏の国の中で政教分離を確立し、民主主義国家として発展してきたトルコ。
しかし、3つの問題も抱えています。

①反政府デモ
 デモが大きくなった原因は政教分離にあります。
 トルコの旗に書かれているのはアタテュルク・・・。

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 ”アタテュルクが訴えた政教分離を徹底させろ!!”というのが主張なのです。
 この時、アルコール販売規制法ができました。
 イスラム教はもともと聖典コーランで飲酒が禁じられています。
 なので、政府がイスラム化を強めようとしているのではないか???
 と、思っているのです。

 トルコは今、2003年から長期政権であるレジェップ・タイップ・エルドアン首相・・・。
 リーマンショックもアラブの春でも着実に経済を発展させたトルコ経済発展の立役者です。
 このエルドアン首相は、熱心なイスラム教徒です。
 最近、イスラム色の強い政策を打ち出しはじめ、若者の強い反発が始まったのです。
 しかし、抗議行動をしているのもイスラム教徒・・・。
 でも・・・強制されたくないのです。
 
②交通渋滞
 急激な経済発展により慢性的な交通渋滞となっているトルコ。
 アジア側とヨーロッパ側を結ぶ橋が2つしかないため渡るのに1時間以上かかることも???
 そこで・・・トルコ政府が考えたのが、ボスポラス海峡横断鉄道トンネルです。
 地下鉄用の海底トンネルです。 
 2004年に日本の最新技術を駆使しが工事を開始しました。
 これが今年10月に完成します。
 ここには、日本の資金援助が1500億円も使われています。

 ローマ帝国時代の遺跡がごろごろしているイスタンブール・・・
 掘るたびに遺跡が出てきて、発掘調査で・・・こんなに完成が遅くなったのです。
 更なる経済発展が期待されています。

③クルド人問題
 クルド人とは、国を持たない世界最大の民族です。
 人口は約3000万人。
 居住地域はシリア・イラク・イラン・トルコで、宗教はイスラム教スンニ派です。
 
 自らの国を求めて戦うクルド労働者党は、度々トルコ国内でテロを行ってきました。
 トルコ治安部隊との戦闘も!!!
 一般市民も含め、4万人以上が犠牲となりました。
 今年3月、30年以上トルコを悩ませていたクルド人問題は、クルド労働者党とトルコ政府の間で停戦の合意がなされ、武装した勢力はトルコを退去し、戦いは終わったのです。

しかし・・・突然始まった反政府デモで、またもや不安が始まったのです。

平和の祭典オリンピックはどうなるのでしょうか???

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