世界のしくみがよくわかる!ニュースを読む技術 [ 池上彰 ]

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 大災害が起きた時、私たちはどうすればいいのでしょうか??
どうすれば防ぐことができるのでしょうか?

8月20日未明、過去最大級の土砂災害がありました。

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多くの人が寝ている間に土石流やがけ崩れ・・・30カ所以上で同時発生しました。
情報も錯綜・・・二次災害も懸念されています。
北海道礼文島でも土砂崩れ・・・

土砂災害の多い日本の土地について

日本は世界でも有数の土砂災害の多い国です。
全国で土砂災害の起きる可能性のある箇所は52万カ所あります。
都道府県別にみると・・・

①広島県・・・・・・31,987
②島根県・・・・・・22,296
③山口県・・・・・・22,248
④兵庫県・・・・・・20,748
⑤大分県・・・・・・19,640

中国地方で多く見られます。

開発が進み・・・山を切り開いて住宅地にしたことが原因ですが。。。
昔から住んでいる人はどの辺が危ない・・・ということが解っていますが、移り住んできた人には解りません。
住む前に、そこがどんな場所なのか??良く知ることが必要です。

とりわけ山陰地方は花こう岩・・・地下のマグマが冷えて固まってできた岩石で、できています。
これが風化すると・・・サラサラなマサ土となります。
このマサ土、水はけがよく・・・大量の水を含むともろくて崩れやすいのです。
同じように・・・シラス台地もそうです。
日本中に火山があるので、どこでも起こりうることなのです。

日本列島は、面積の約70%が火山や丘陵で出来ています。
平野部は30%しかありません。
・崩れやすい地質の山が多い
・雨が多い
 世界の年間平均雨量が970㎜なのに対し、日本は1700㎜です。
・急流の川が多い
・雪・地震・火山

毎年土砂崩れによる死者が出ています。
1年におよそ100人ぐらいの方が亡くなっています。



現代の技術でも防げないのか?

土砂災害を防ぐポイントは”砂防”です。
このSABOは国際的な言葉です。
代表的なのが砂防ダムです。
砂防ダムを設置することで、土石流などを防ぐことができますが魚が川を登ることが出来なかったり、下流の川底の砂が減ってしまうと生態系に影響が出てしまうのではないか?
とも言われています。
土石流が来たら・・・ワイヤーセンサーを設置して切れたら連絡・・・という方法があります。
雨がどれだけ降るか??ということは判断しにくいので、防ぐことはなかなか難しいのです。



日本全国、危険な場所を知るには?

危険個所が52万カ所以上、土砂崩れなどが年間1000件起きている日本。
そんな危険な場所を知るためには??

自治体が、何処が危ないか?というのをマップにしています。

警戒区域・特別警戒区域に指定されると、避難体制を作らなければいけなかったり、危険区域がどこなのか?地図を作らないといけないことになっています。
住宅を買う時には、不動産業者は告知しないといけません。
特別警戒区域は、ちゃんとした体制が出来ていない限り、家を建てることができません。
県知事の許可が出て、はじめて家を建てることが出来るのです。


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土砂災害警戒区域の指定状況は・・・

地区によってかなり違います。

地区を指定するためには調査にお金が必要で・・・
おまけに住民の反対もあってなかなか進みません。



行政の対応、何を信じればいいのか?

広島の土砂災害では・・・
急に行方不明者数が増えたりして警察も混乱・・・
情報を持っているのは都道府県庁・警察・消防本部です。
あまりの忙しさに、お互いのすり合わせが遅れたためです。

遅れた避難勧告・・・
広島の場合は、5つの基準がありました。
①大雨特別警報
②避難基準を超す雨量
③土砂災害警戒情報
④巡視によって危険と判断
⑤土砂災害緊急情報
です。

このうち一つでも該当する場合は避難勧告をだすことになっています。
しかし、これはあくまで原則。
そして、今後の気象情報をかんがみて判断することになるのです。

今回はこのような情報が・・・午前1時頃~3時頃に発表されたので・・・
寝ている人たちにどのように伝えるのか??
夜中にどこに避難するのか??
迷っていたようです。

おまけに、今の技術では天気予報はかなり難しいようで。。。
最後は自分の判断・・・ということになりそうです。



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