会津藩VS長州藩―なぜ“怨念”が消えないのか (ベスト新書) 新品価格 |
いつもこのブログでは、歴史に重点を置いた感想にしようと心がけていますが・・・
今回は・・・普通に見た感想として・・・とっても不快でした。
人が死んでるんだよ・・・!!
寅次郎は処刑され・・・長州藩もまた、長井雅樂を中心として幕府に恭順を示しました。
残された塾生たちは軍資金を集め・・・
”誰も予期しなかった最悪の事態が目の前に迫っていました。”と、ナレーションしていますが・・・誰も予期しなかったって・・・自分達で突き進んでいくんですよ・・・??
亀太郎の店に魚を買いに行った文・・・亀太郎のお母さんにちくっと嫌味を言われます。
「罪人の塾になんぞ行って・・・食うや食わずでございます。」みたいなことを。
「そげなことになってたなんて・・・」by文。
「入江さんたちも苦労しとるそうですよ」by亀太郎。
そう・・・その通りです。
もともと高杉晋作以外は貧乏なんですから・・・松陰先生のせいではない!!と、亀太郎は言うけど、松陰先生のせいで貧乏からど貧乏に突き落とされている現実がここにはありました。
下関では・・・西郷吉之助と久坂玄瑞が密談中。。。
薩摩が上洛⇒討幕を企んでいるという。。。
ま、決まっているようで・・・このあと薩摩も幕府についたり、討幕になったり・・・そこら辺は今の徴収とさほど変わりないかと・・・。
でも、長州は、突き進みはじめたら討幕!!討幕!!討幕!!です。
その頃、高杉晋作は周布様から幕府のお供で上海・・・海外視察を命じられていました。
嫁でもないのに一番に文に言うのは、主人公の特権・・・??
藩の重役たちは京に上る・・・
塾生たちは塾生たちで京に上り攘夷を働きかけようと密談中・・・
長井の藩是を覆すために・・・!!
寅次郎の死でいったんはちりじりになってしまった塾生たち。。。
志を遂げるために集まってきてしまいました。
その頃文は・・・
稔麿の妹・ふさを訪ねていました。
行方知れずとなった稔麿を心配してのことのようですが・・・
”どの面げてくんねん!!”って、塩撒かれそうな立場なのに、よどこでも登場するのは主人公だから??
傘貼りの内職以外で組紐作りでお金を稼ぐことを薦めます。
晋作が結婚した雅は、お嬢様でお転婆で・・・
そんな雅も、晋作の妾・おうのと大バトルを展開していきますが・・・
この2人、結婚生活は6年・・・しかも、あっちこっちと晋作は走り回るので、一緒にいられたのはこの頃・・・2年ぐらいと言われています。
あ・・・新婚早々、海外に行っちゃいますけどね。
まっとうな道に進み始めた亀太郎や入江九一を巻き込んでいく玄瑞・・・
「俺はもう退かん!!
松陰先生は言われた。”自分の信念を貫き行動せよ”と。
今がその時じゃ!!
俺は長井雅樂を討つ覚悟じゃ!!
あの男が先頭に立って幕府の悪政を手助けしとる限り、長州は変わらん。。。
刺し違えてでも・・・俺はやる!!」
??いきなりですか??
そう、歴史上みんなの知る討幕派の久坂玄瑞の誕生です。
ドラマでは優しいこと言ってましたが、最初っからこんな感じだったという方が自然な感じがします。
寅次郎も暗殺計画をしていますしね。。。
寅次郎も玄瑞も、やったことは史実なんだから、主人公の兄・夫ということで、人間味のある良い人感を出し過ぎるから、違和感になるんじゃないのかなあ・・・。
それに、いつも言っていますが・・・もっと議論したりして今どう考えているのか詳しく描いて欲しいんですよね。。。
議論することが大好きだった寅次郎でしょう・・・??
杉家の家族にも、京に上るのでお金がいるという玄瑞。。。
家族で内職してお金を捻出します。
おお・・・どむならの兄がいなくなったら、次はどむならの夫のためにがんばる文です。
呑気にみんな仲良く蒲鉾作ってますが、亀太郎、様子がおかしいです・・・。
戻ってきた入江九一・・・仕事を辞めて、玄瑞のもとへ・・・寅次郎のもとへ帰ってきたという。。。
「ほうっておけんのじゃ・・・」by九一
玄瑞の手紙で呼び寄せられたらしいの・・・あ~、ダメダメ、帰って来ちゃあ。。。
さすが寅次郎が妹の嫁にするだけある??
寅次郎の思うところに邁進していますよ・・・玄瑞・・・。
京に上る玄瑞に、女たちで作ったお金を渡す文。。。
決意をもって京に上る玄瑞に・・・海外視察のため一緒には行けない晋作・・・
でも、どうして晋作は海外視察に行くのか??
それは、仕事を無くしちゃったみんなと違って藩に仕えることになったから。。。
晋作は、遊び人ですが、結構真面目に、殿の言うことを聞き、父の言うことを聞き、頑張っていました。
そんなことも書いてくれていませんし。。。
「のう・・・久坂。俺は、松陰先生には果たせんかった志が二つあると思う。
ひとつは攘夷を決行すること。
もう一つは異国を自分の眼で見ること。。。
お互い、先生の志を・・・一つずつ遂げて長州に戻ったら、今度は二人でどでかいことをしようや・・・!!」by晋作
「悪うない。。。」by玄瑞
このシーンは良かったですね。
少年マンガ的で大好きです。
って思ったら、文がいるのね。。。
ここで文は要らんやろう・・・つい、”江”の伊賀越え思い出しちゃいました。。。
私が古いのかなあ・・・??
そこ、女は要らんやろう!!カットがたくさんあるのよね。。。
女性が入ると現実過ぎて、ある意味怖いんですよ。。。
京都で密談中の村塾メンバーに・・・遅れてやってきてしまった亀太郎。。。
しかし・・・亀太郎がいなくなってしまいました。
どうして???
なんと包丁握りしめて・・・
そう、長井雅樂を一人で暗殺しようと斬りつけたのです。
道端で斃れていたと思われる亀太郎・・・無傷なようです。
「久坂さん・・・あんたはこねなとこで死んじゃいけん!!
最初に死ぬんはわしみたいな弱い者でええ。。。
前原さん、お別れです。
どうか・・・志をつないでつかあさい!!」
と、自害しちゃいました。。。
なんだ??なんだ???
今いち解んない・・・。ほんと、わかんないわ・・・。
で・・・文??
杉家の人たちが伊之助からその話を聞くのでした。
事後処理に向かうであろう伊之助。。。
そして・・・亀太郎母が、亀太郎の絵が見たいとやって来ました。
亀太郎の絵を見て泣く母。。。
「申し訳ございません!!
亀太郎さんのお覚悟、私が気付いておれば・・・
申し訳ございません!!」by文。。。
と、話が進むと思ったら。。。
「ごめんくださりませ!!」by雅
いきなり空気の読めない高杉雅登場!!
形だけ亀太郎の母に挨拶する姿に文が激怒!!
って・・・あなたの兄の・・・夫のせいだわよ・・・。
それでも、どのような心の持ちようで息子を送ったのか聞きたいという雅。。。
おお・・・文、ライバル登場ですね。。。
みんな私、私ばっかり・・・!!
亀太郎母の気持ちを考えてあげなさいよ・・・!!
そう言えば、亀太郎の死のシーンといい、余韻が全くないじゃないの・・・??
雅も文も語っているけれど・・・晋作も玄瑞も生きてますよ!!
亀太郎は死んじゃったんだから・・・!!!
亀太郎の命、そんなに軽いの??
もう、蒲鉾の話になっとるがな・・・!!
でもって、すみが内職を見つけたという話に・・・
京でのテロのためにお金を稼ぐ算段になってる・・・。
アハハハ・・・ウフフフ・・・亀太郎母まで笑い出す始末。。。
おまけに、亀太郎の母に・・・「私たちが居ります」と、滝が止めの一発を刺すのでした。
で・・・周布に会いに来た伊之助についてきたのは玄瑞。
これからどうすればいいか・・・玄瑞の意見書を提出!!
さらに・・・
「どうかお選びください・・・この長州の未来を!!
古きしきたりにしがみつきつづけるんか、身分に関係なく志を持った者たちの熱に託すんか・・・お選びください。
松浦亀太郎の死を、過ちを犯した一介の魚屋の死として葬るんか、それともこの長州のために命をなげうった志士の死と認められるんか・・・!!
この・・・久坂玄瑞が長州を背負って立つ覚悟にございます。」by玄瑞
え・・・政之助の意見もなく・・・またもや内職している杉家・・・。
「旦那様・・・萩の者たちは元気です。
女達は優しく強く、繋がっております。」by文。
何じゃ・・・こりゃ・・・。
まずは、”女達、手を組む”ってことで、みんなで協力って感じにしたかったのでしょうが・・・
「旦那様・・・萩の者たちは元気です。
女達は優しく強く、繋がっております。」by文。
って、なんて薄っぺらい言葉。。。
女なんて、ドロドロでしょ??って思っちゃいました。
これを聞いて・・・このドラマ、みんな心のない台詞が薄っぺらいような気がしてきました。
例えば、寅次郎が江戸送りになって・・・杉家では父・百合之助・長兄梅太郎も寅次郎に連座して免職となっています。
その後も、復職していくつかの役職を歴任しますが、対立する俗論派が藩内を牛耳るようになると、再び罷免となります。
つまり・・・「アハハ、ウフフ・・・」状態なんかじゃないんです。
自分の家族ならしょうがないけど、弟子たちがそんな生活していたか知らなかったなんて・・・それもおかしいし、その家族と「アハハ、ウフフ」もおかしいと思います。
私の人間が悪いのか??
みんな、仲良しなの??
杉家を恨んで当然なのに、おかしいでしょう!!
と思っちゃうのです。
「アハハ、ウフフ」でなくって、例えば陰で梅太郎を支える亀を描いて欲しかった!!
そして・・・もっとも不快だったのが、亀太郎の死・・・
人一人の命を・・・それも、長州藩・最初の殉難を・・・なんと思っているのでしょうか??
これからどんどん死んでいきます。その感覚に麻痺しちゃう前の、一人目だったのに。。。
母親さえ悲しんでいるように書いてあげないなんて・・・まるで、母親が薄情みたいじゃないの・・・!!
とまで思えてしまいました。
そう言えば、前回は、井伊直弼の死も書かずに・・・龍馬登場でしたね。。。
そんな副題の方が視聴率が上がるのかしら??ともかく、今回も、大切な人の死は、スルーで終わってしまって、全くの不快でした。
もっと丁寧に描いて欲しかった亀太郎・・・
あまりにもかわいそうなので、亀太郎のことを一つ。。。
ドラマではなんでこうなったん・・・??って感じでしたが、実際はちょっと違うようです。
松浦亀太郎は1862年に久坂玄瑞ら同志とともに上京。
藩老・長井雅樂の開港論に反対して暗殺しようとしましたが、あまりにも警固が厳重で・・・果たせませんでした。
つまり・・・長井雅樂を守る警固の者に斬られたのではなく・・・
時が過ぎるうちに、長井雅楽を自らの手で討てなかった自責と自噴の念だけがつのり、このままでは故郷の人に合わせる顔がないとして、1862年4月13日、粟田山中にて26歳で切腹したのです。
「一事寸功の見るべきものなく、いたずらに時の推移するを思い、何の面目か故郷の人に逢わん」by亀太郎
魚屋なのに切腹・・・というのも、草莽崛起っぽいというか・・・
これから後、武士ではないのに武士として切腹して死ぬ人が増えていきます。
後に・・・有名どころでは、長州の敵となる新選組・近藤勇は斬首され・・・三条河原に晒されることになります。
武士として生き、武士として死にたかった・・・
土方の作った局中法度には、士道二背キ間敷事・・・をしたら切腹!!だったのです。
しかし、武士として誇り高い切腹をさせてもらえなかったとは・・・本当に無念だったと思います。
ちなみに、近藤勇も草莽崛起を叫んでいました。
ということで・・・何を言いたかったかというと・・・
亀太郎は、武士でもないのに吉田松陰という男に出会い、草莽崛起の精神の元、魚屋でありながら武士と平等の精神で切腹した男だということです。
これから幕末で命を落として死んでいく若者の魁だった男なのに・・・
ドラマの中で、訳の分からないうちに死んでしまって亀太郎もさぞ無念だったことでしょう。
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