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④経済大国・中国
軍事的にも経済的にも驚異的な存在ですが・・・どうして急成長したのでしょうか?
文化や歴史、民族問題、台湾問題、政治体制・・・不思議な国・中国。。。
中国の正式名称は「中華人民共和国」・国土の4割以上を「自治区」が占めていて、一番大きな自治区は新疆ウイグル自治区です。
香港やマカオで行われている社会主義と民主主義が共存している制度を「一国二制度」(一国両制)といいます。
不思議な場所がたくさんあります。
❶中国の成り立ち
”中華”とは世界の中心という意味です。
中華思想・・・「自分たちが世界の中心」という考えのことです。
国旗は「五星紅旗」で、大きな星は中国共産党を表し、小さな星は労働者・農民・小資産階級(知識人)・愛国的資本家です。
社会主義なので、国が管理して平等な社会を目指しています。
社会主義で発展して、世界の中心に!!ということなのです。
中国は、漢民族(人口の90%以上)と55の少数民族で成り立っています。
少数民族がそのまま暮らしていいところ・・・それが自治区です。
新疆ウイグル自治区・チベット自治区・内モンゴル自治区・寧夏回族自治区・広西チワン族自治区があります。
自治区では、少数民族の言語・文字を使用することができます。
独自の法律を作ることも可能です。
が・・・2000年に、西部大開発ということで、西部を発展させるために漢民族が移住しました。
重要な部署は、漢民族が占めています。
それが暴動がおこる理由の一つです。
自治区を合わせると、中国の国土の45%を占めます。
独立されてしまうと、中国が半分になってしまいます。
おまけに、自治区では、石油・石炭・天然ガス・レアメタルなど、資源がたくさんあり、手放したくありません。
また、インドと戦争したという歴史から、インドとの間に緩衝地帯(新疆ウイグル自治区・チベット自治区)が欲しいのです。
北朝鮮との間が悪くないのも、韓国との間にワンクッションおいておきたいからです。
❷中国らしくない香港・マカオ
香港やマカオは、世界に類を見ない街です。
中国が清だったころ・・・1840年アヘン戦争で、イギリスとの戦いに敗れ香港をとられ・・・それに便乗したポルトガルにマカオをとられてしまいました。
1997年香港返還、1999年マカオ返還となりました。
長い間、資本主義である他国に支配されていた・・・中国は社会主義でしたが・・・50年間は資本主義のままでいい(一国二制度)ということになりました。
香港は、観光・貿易・・・と、中国とは離れ独自に発展!!
中国本土より裕福な国でしたが・・・今はずいぶん変わり、今は、香港ドルより人民元の方が高くなっています。
香港は、2047年まで一国二制度が適用されます。
最近では積極的に中国が香港に介入するようになってきています。
マカオは、2006年以来、世界最大のカジノ都市で、本場ラスベガスの7倍の売り上げです。
最近では、習近平国家主席が汚職の取り締まりを始めたので、中国大陸からのお客が減っています。
マカオ経済はかなりの打撃を受けています。
❸わかりにくい台湾
今から120年ほど前、日清戦争がありました。
その時に日本が勝ち、手に入れたのが台湾でした。
なので、今でも日本語を話せる年配の人も多い。
中華民国では、資本主義の国民党・蒋介石と、社会主義の共産党・毛沢東と覇権争いが・・・
内戦状態へ・・・!!
日本軍が入ってきて、日中戦争がはじまりました。
一緒になって日本に対抗しよう!!国民党+共産党=国共合作・・・一時的に仲間となりました。
日本が負けて引き下がると・・・またもや争いが・・・!!
共産党が力をつけた理由には・・・
国民党が腐敗して人気が落ちたことと、1922年北側に背k市最大の社会主義国家”ソビエト社会主義共和国連邦”が成立したこと・・・
同じ社会主義のソ連が、軍事支援をするようになりました。
蒋介石は・・・敗れて台湾に逃げ込みます。
1949年共産党による中華人民常和国が成立します。
共産党は、台湾に乗り込もうとしましたが、その頃、朝鮮半島で朝鮮戦争が勃発!!
同じ社会主義の北朝鮮を助けている間に、アメリカが資本主義の台湾に手を差し伸べ・・・そのままになっています。
もともと国際連合発足時には、中華民国が中国の代表として加盟していました。
どちらが本当の代表・・・??
1871年国連決議によって、中華人民共和国が中国の代表になりました。
それ以来、中国=中華人民共和国となっています。
日本は・・・「台湾は中華人民共和国の一部である立場を十分理解し尊重する」としています。
アメリカは・・・台湾に対し「take note・・・留意する」と言っています。
中国は失ったところを全部取り戻そう!!それが野望です。
❹中国急成長の道
中国を発展させたキーマンは・・・鄧小平、それまでの中国を180度変えた人です。
それができたのは、中国共産党による事実上の一党独裁だったからです。
これが経済成長の秘訣でした。
1950年代、社会主義の中国ではすべて・・・土地、お金、食料、会社は国が管理し、国の計画に従っていました。
当時の中国のトップは毛沢東初代国家主席で、大躍進政策をすすめます。
ソ連はアメリカに追いつくなら、中国は15年でイギリスを追い越そう!!
貧しかったので、食料を増やそうと、稲をたくさん植えさせます。
稲が実る→雀駆除作戦で1年間で21億1000万羽を駆除します。
雀を退治したせいで、害虫がはびこります。
コメの生産が激減!!
稲をたくさん植えると、水はけが悪く、風通しが悪く・・・不況を招きます。
農業に詳しくないトップ・・・しかし、逆らったら命の危険が・・・!!
国民は従うしかありませんでした。
イギリスの経済力は鉄鋼生産力!!
生産高でイギリスを追い越せ!!
鉄を作れと命令します。
巨大な製鉄所は作らず、それぞれが農家の庭先に作ります。
材料のレンガがない・・・遺跡やお寺を破壊し調達します。
鉄鉱石を溶かそうとして・・・木を伐採して燃料にします。=中国中の森がはげ山に・・・
鉄鉱石がなくなる→鋤や鍬を溶かしてしまう。。。
木がなくなって、農業をする道具も無くなってしまう=大飢饉・・・となってしまいました。
2000万人~3000万人が餓死し、大躍進政策が大失敗に終わってしまいました。
現在の中国の教科書では、たまたまの天候不良による大飢饉だということになっていて、大躍進政策の失敗についての記述はありません。
その結果、大躍進せず不景気は続きます。
❺資本主義で大成功
1978年方針大転換!!
絶対的な毛沢東の亡き後を継いだのは鄧小平。
リアリストの鄧小平は、社会主義の中に資本主義を取り入れたのです。
改革開放政策により、鎖国のような状況から海外企業の誘致などを行います。
日本・イギリス・アメリカ・・・世界の工場となっていきます。
社会主義でありながら、国民が自由にお金儲けできるようになります。
1978年には来日し、日産や松下など企業を視察。
松下電器が戦後初、中国に進出しました。
農業にも資本主義を取り入れます。
生産責任制にし、国に納めた後、余った物は自由に・・・売ってもいいとしました。
働いても働かなくてもいい状況から・・・あっという間に働いて、飢餓がなくなりお金持ちが出てきます。
技術力も強化!!
このような状態を、社会主義市場経済と呼びます。
社会主義は自由なマーケットではないですが・・・政治は一党独裁の共産党支配、経済は資本主義の奇妙な国が出来上がりました。
これによって中国が発展したのです。
❻急成長のカギ「独裁」
事実上の一党独裁・・・実は、共産党以外に8つの政党があります。
この8つの政党は、共産党の指導に従うとなっています。
なので、”事実上の一党独裁”なのです。
普通の国は、憲法の範囲内で政治家たちが法律を作りますが、中国は・・・中国共産党が憲法よりも上の存在にあります。
言論の自由、デモの自由・・・それを共産党がダメといえばダメで、裁判も共産党がダメといったらダメなのです。
中国共産党に絶大な力があるので、権力を握った人によってすべてが変わるのです。
しかし、独裁体制が続くと不満も出てきます。
1989年6月4日、天安門事件!!民主化を求めて立ち上がった学生たち・・・
その学生運動を軍が力で制圧!!
多くの死傷者を出しました。
この結果、共産党を愛するように・・・と、愛国教育をするようになります。
かつて日本が占領し・・・その「日本を倒し、解放した共産党を愛そう」という教育です。
愛国教育が結果的に反日教育となっていったのです。
❼資源を求めて世界へ
世界の工場と言われてきた中国。
エネルギーである石油が必要となり、アフリカに目をつけます。
仲良くなって資源を手に入れる・・・!!
日本の援助の仕方は・・・例えばインフラ整備・・・
監督は日本人でも現地の人をなるべく採用します。
これによって現地の人たちに技術を学んでもらい、将来的には独り立ちできるようにと考えます。
なるべく現地にお金を落とそうと、食事は現地の物、現地の食堂を利用します。
比べて中国は・・・
教えることはなく、働く人も中国から連れてきます。
大勢の中国人労働者を目当てにたくさんの中国人がやってきます。
中華料理店、クリーニング店、スーパー・・・全部中国からやってきます。
日本は軍事独裁国家には援助しないということになっていますが、中国はどんな政治体制であろうと援助をします。
その結果、中国の援助→中国人労働者に支払われ→中華街に落とし→中国に戻っていくのです。
チャイナタウンがアフリカにたくさんできていくことになります。
現在、アフリカで100万人の中国人が暮らしています。
かつては日本もそうでしたが、今は現地の人々にお金が落ちるようにと考えています。
❽今の中国の問題点
2008年北京オリンピック、2010年上海万博。
日本もかつては1964年東京オリンピック、1970年大阪万博でした。
日本の背中を見て頑張ってきました。
交通手段も、豊かになったので自転車から自動車に変わります。
その中国経済が停滞・・・??
中国は一人っ子政策の影響で、少子高齢化が加速、労働人口が減少しています。
人件費が高くなりつつあります。
東南アジアに工場を移転する企業も増えてきました。
中国は、世界の工場ではなくなってきているのです。
中国経済が大ブレーキ→中国への輸出品が売れない→不安が広がり世界的な株安に。
そこまで中国には影響力があるのです。
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