その刃は、"武士の美徳"か"殺人"か―
主演・藤原竜也さんでした。が、後半は北大路欣也さんや吉岡秀隆も主役級で出ていました。

明治時代・・・取り残された武士の世界に吸い込まれるような、見ごたえのある作品でした。


「遺恨あり」 明治十三年 その刃は、"武士の美徳"か"殺人"か―

遺恨あり 明治十三年 最後の仇討 / TVドラマ

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作品は、明治13年12月17日、東京市京橋区三十間堀にあった、九州・旧秋月藩主の黒田男爵邸内の書生長屋で実際に起きた"最後の仇討"を基に描いた人間ドラマです。



江戸城の無血開城から間もない慶応4年5月。秋には明治と年号が改められる武家社会終焉の年。


九州の山深い小藩、秋月藩でその事件は起きました。
その夜、秋月藩の執政・臼井亘理の屋敷に同藩の過激攘夷派の藩士の集団"干城隊"が侵入。亘理の首をとり、その妻・清を惨殺しました。

開国派のリーダーである亘理を気に食わない攘夷派の秋月藩国家老・吉田悟助がそそのかしたのです。

物音に気付いた亘理の息子・六郎は、父のもとに駆けつけますが、そこで目にしたものは両親の惨い遺体と、暗い部屋の隅にぼう然と座っている、幼い妹・つゆの姿でした…。


清の兄・四郎兵衛、亘理の弟・助太夫は、すぐさま国家老の吉田に仇討を願い出ますが、吉田は藩の法度で私闘は禁じられていると言い、この事件を闇に葬り去ります。

しかも、干城隊へのお咎めはなし。その一方で臼井家には50石の家禄減知という、あまりにも理不尽な処分が下され、11 歳の六郎は父母の仇討ちを胸に誓いました…。

明治5年。廃藩置県で武士は家禄を失い、士族という名の失業者になりました。16歳になった六郎(藤原竜也)は、なか(松下奈緒)と力を合わせ、下手人を調べ上げていきます。

父を殺したのは一瀬直久(小澤征悦)、母を殺したのは萩谷伝之進(岡田浩暉)であると…。


しかしその後、明治政府の時代となり明治6年年2月、司法卿・江藤新平が出した「復讐禁止令」により敵討ちは禁止されます。武士は士族となり、廃刀令によって帯刀も認められず、自らの存在意義を見失おうとしていました。

混乱の時代・・・。何が正義で何が罪なのか?700年間続いた武士の時代の常識が覆されました。

それぞれが自分の正義の為に戦った時代の、心の移り変わりがうまく表現されていて、面白かったです。

このブログでは、幕末や維新を書くことも多いのですが、やはり今は明治維新が作った社会・・・。新選組や会津藩とか・・・明治政府の反対していた人たちがなかなか浮かび上がってきません。

西南戦争が武士の最後の戦いとなりますが、当時の士族・・・もとい、武士には、どこにも吐き出せない鬱屈した思いが、それぞれにあったのでしょうね。


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