池上彰×津田大介 テレビ・新聞・ネットを読む技術 (中経の文庫)

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8月尖閣諸島周辺に大量の中国漁船が・・・その数400隻!!
公船15隻も相次いで領海へ侵入!!
これに対して日本は抗議を続けるも聞き入れず・・・しかし、8日後には船は周辺海域から忽然と消えました。
この行動に込められたメッセージとは・・・??
膨張する中国、領土拡大を続ける超大国の真意とは・・・??

サラミ・スライス戦術・・・相手が気付かない程度の”小さな前進”を繰り返し、目的を達成する作戦なのでは・・・??少しづつ既成事実化しようとしているのでは??と言われています。

現在の目標は・・・南シナ海!!中国の赤い舌(九段線)です。
南シナ海を実効支配しだした中国・・・その領有権を主張する理由は・・・??
南シナ海での活動は、2000年余りの歴史があり、その権益は長い歴史の過程で確立したというものですが・・・現在の国際法では通用しないんのですが・・・

怒ったフィリピンは、2013年1月、中国の主張する「九段線」に根拠がないとして仲裁裁判所に訴えます。
7月12日のオランダ・ハーグ仲裁裁判所の判決では、中国が主権を主張する独自の境界線は国際法上の根拠がないと、中国の主張が全面的に否定されたのですが・・・
「中国は第三者による解決案は、いかなるものであっても受け入れない。」と強気に出ています。
二国間で話し合うべきだ!!と言っているのです。

しかし・・・判決を守らなければならないという罰則はありません。
国際的な常識が通用しないのです。
現在は、中国のパスポートの地図には・・・九段線が入っています。
国際裁判で負けたはずなのに・・・!!

これに対し中国は・・・
「地図のデザインは深読みしないでもらいたい。
 中国は関係諸国との外交を進め、双方の国民の健全な往来を促進するつもりだ。」
としています。

気にする国は・・・フィリピン、ベトナム・・・は、パスポートに判を押すのではなく、別の守を作ってそれを渡しています。
”認めない”と、主張しているのです。
日本にとっても他人ごとではありません。
南シナ海は、日本にとってのシーレーン。
中東から石油を運ぶ場合に、別のルートはコストがかかりすぎます。

中国の世界戦略は、2013年に提唱した一帯一路。
陸のシルクロードが一帯、海のシルクロードが一路ということです。
これらの沿線国に、莫大な資金を投資し、新しい経済圏の形成を目指しているのです。
イランでのtell道建設、トルコでの鉄道建設、ロシアのモスクワ=カザン高速鉄道・・・
ベトナム海洋発電所(マレーシアと共同で19770億円)、マレーシア東海岸鉄道プロジェクト(契約金額は1兆円以上)、スリランカ、マッタラ・ラージャパクサ国際空港(中国が200億円を養子・建設を受注)、バングラデシュ、パドマ橋(バングラデシュ最大の橋を建設予定)、たくさんの港にも出資、ギリシャのピレウス港(同国最大の港を450億円買収合意)・・・これらはごく一部で、世界でたくさんの投資をしているのです。

新華社通信の調べでは、一帯一路の影響範囲は40余りの国をカバーし、人口は43億人(世界の63%)を占める巨大な経済圏を作ろうとしています。

一帯一路実現に必要なものは・・・お金!!
資金調達としてAIIB(アジアインフラ投資銀行)を作りました。
途上国の資金援助を目的としています。
本部は中国の北京、初代総裁は中国人!!
創設には、イギリス・ドイツ・フランス・ロシアなど57か国が参加。
日本とアメリカは、組織の透明性に懸念があるとして参加を見送っています。
この銀行が融資をしていきます。
それは一体一路の沿線上です。
中国の国家戦略に基づいて、お金を貸しているのです。


日本にも影響が出てきました。
2015年9月、日本と中国による「インドネシア高速鉄道」受注競争で・・・
最初は日本方式を採用すると思われていましたが、資金捻出を提示した中国に軍配があがりました。
まるで”横取り”です。
2015年10月21日、”一帯一路の終点”イギリス・ロンドンが中国製原子炉の導入に合意しました。
戦略は、着々と進められています。

そしてアフリカでは・・・??
沢山の中国史本が進出しています。
2000年代だけでも7兆円投資しています。
その最前線は、エチオピア!!
人類発祥の地ともいわれ、アフリカで唯一植民地化されたことがありません。
世界最貧国だったエチオピア・・・2014年には経済成長率世界一位となりました。
エチオピアで中国は何をしているのでしょうか?

中国のエチオピア進出
①巨大建造物
首都・アディスアベバにあるアフリカ連合本部ビル・・・
完成披露式典には中国国家が流され、中国国旗も・・・!!
このビルは、中国政府が総工費150億円を全額負担しています。
世界最大の地域機関アフリカ連合の心臓部が中国製なのです。
そこには、中国製の備品も沢山ありました。
中国資本による建設ラッシュは他でも・・・。
エチオピア国際競技場(総工費97億円)、エチオピア商業銀行(建築費276億円)、エチオピア航空ホテル(建設費65億円)・・・
どうして中国だけが進出しているのでしょうか?
今、中国は国際入札で総なめで勝ち取っています。それは、リスク・ラバーだからです。
ヨーロッパ、アメリカ、日本は投資に時間がかかります。
一方中国は、一度現場を見ただけで、投資を即決するのです。
リスクをチャンスととらえる積極的投資が入札を勝ち取っているのです。

②交通インフラ
路面電車は、中国が480億円を出資しました。
この電車には・・・切符は2ブル・・・日本円にして10円です。
エチオピアの平均月収は5000円なので、お財布にも優しい。
踏切は一切なく、モニターでは中国の鉄道会社のコマーシャルを流しています。
どこでも中国の存在感!!
そして・・・アフリカ発の高速鉄道も・・・!!
アディスアベバからジブチまでの高速鉄道で、中国の銀行が7割・・・2500億円を出資しています。
JR東日本が最高だと言うのに・・・日本の技術を選ばなかった理由は、資金調達でした。
今の自分たちには時速300キロの電車は要らないと言います。
”適切”なものが必要なのだと。。。求められていたのは、世界一の技術ではなく、ニーズに合った戦略と投資でした。

③市民の生活
エチオピアには6万人の中国人が生活しています。
街中には多くの中華料理店が・・・!!
中国野菜の栽培量も増加!!
アディスアベバ大学では中国語教育!!
孔子学院の卒業生は就職率100%。
受講生は増え続けています。
アフリカだけで46校あり、世界中に孔子学院を設立しています。
アフリカ中に浸透する中国・・・!!
中国とアフリカの接近・・・それは、世界での中国の発言が強くなることを意味しています。

アフリカの中国か・・・日本は中国とどう向き合っていけばいいのでしょうか??

2014年10月、小笠原諸島付近で、サンゴ密漁問題がありました。
赤サンゴの密漁・・・それは、もちろんサンゴの密漁と・・・日本の防衛能力を見極める挑発だったのでは??と言われています。
突然来て、突然帰る・・・中国政府が関係しているのは間違いないと思われます。
どうやったら日本の国益が守れるのか??
そこを考えなければなりません。


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