そうだったのか!アメリカ [ 池上彰 ]

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2008年アメリカの大手投資銀行・リーマン・ブラザーズが経営破たんしました。

サブプライムローンによる債権の証券化とはどういうことなのでしょうか?

サブプライムローンとは、普通なら借金が出来ないような人にも高い金利でお金を貸しましょうということです。
これまでマイホームを諦めていた人たちが、次々に住宅ローンを借りて家を建て始めました。

「マイホームを持ちたい」「土地を買いたい」という需要が生まれ、土地の値段が上がります。
その土地を担保にお金を借りるとき、これまでより多くのお金を借りることができるようになりました。
”住宅ブーム”が起きます。

住宅金融会社がローンを貸し出すと・・・住宅金融会社は、”債権”を得ることができます。
債権とは、貸したお金を返してもらえる権利のことです。
アメリカの場合は、リスク管理の仕組みがしっかりしていて・・・
自分が持っているとリスクになるので、その権利を高値で売ってしまえばいいという考え方です。
そうすれば、借金を返してもらえなくなるというリスクが無くなるのです。


リスク管理、リスクコントロールのために・・・ここで出てくるのが投資銀行です。
投資銀行に、この債権を売ります。
債権とお金がぐるぐる回って・・・住宅ブームが起きました。
弾けてから明らかになったのが・・・住宅金融会社が住宅ローンを貸す間にブローカーが存在しました。
歩合制となっていて・・・1件づつローンを貸し付ける契約が成立したら、手数料が貰えるのです。
となると・・・誰でもいいから契約を結んでしまえば、手数料が貰えるということになってしまったのです。

アメリカは、中米や南米から大勢の移民・・・ラティーノが入って来ていて、英語が話せないアメリカ人が猛烈な勢いで増えてきています。
マイホームを持ちたいと思う人たちに、契約をさせます。
が・・・英語が読めません。
後の祭りとなってしまうのですが、ここに一大住宅ブームが起きたのでした。


投資銀行がリスクを背負いこんで・・・そのリスクを・・・小口に分けて、大勢の人に分けます。
つまり、債権の証券化となるのです。
元になっているのは金利の高いサブプライムローン。。。
となると、銀行に預金している金利よりも、証券の方が金利が高くなるのです。
ということで、この証券を買う人がたくさん出てきました。
住宅金融会社から買った時に払ったお金を取り戻すことができるのです。

リスクを他人に押し付けることで。。。

その債権の証券を扱う投資銀行も出てきます。
ただし・・・サブプライムローンをもとにした証券はリスクがあるので、優良な企業の社債と混ぜて販売します。
これなら間違いなく紙くずにならない???
と、全く新しい商品を作りだしたのです。
前より安全ということになって、前より高い値段で売ることができるのです。
そこで登場するのが格付会社です。

格付会社はもともと大陸横断鉄道を作る頃に誕生しました。
当時は駅馬車の時代、蒸気機関車が出来て大陸横断鉄道を作ることになりました。
でも、アメリカ人はまだピンとこなかったので、大陸横断鉄道の社債を買ってくれません。
そこで、第三者からのお墨付きが欲しい!!ということで、格付会社が必要となってきて・・・お墨付きをもらえると「AAA」なのです。

最上級がAAA⇒AA+⇒AA⇒AA-⇒A+⇒A⇒A-⇒BBB・・・
と続いていきます。
そして、AAAがつくと、まず、紙くずになることはないとされるのです。

格付会社の格付能力は信用できるの??
住宅バブル崩壊後・・・
AAAなのに安全ではなかったとアメリカで大問題となりますが・・・
社長は・・・
「格付けというのは意見の表明にすぎません」
と、言ったといいます。
買う方の自己責任によるものだというのです。

そんなことがあったので、格付する会社を格付する会社が必要だ!!と言われるようになってしまいました。

が・・・その当時は、格付会社の通りに世界中の人々が買っていったのです。
バブルがはじけると・・・担保価値が下がり・・・住宅価値が無くなり・・・買い控えが・・・
借金が返せなくなる人が続々と出てきたのです。

そうして、サブプライムローンで破たんしたというところがたくさん出てきました。

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